治験情報のボランティアサーチHOMEへ
「治験」参加募集情報サーチエンジン[ボランティアサーチ] / ドクターのコメント
ボランティア登録はこちらから
ボランティアリスト一覧はこちらから
新着情報
ボランティアサーチとは
登録までの流れ
参加にあたって
臨床試験(治験)とは
治験実施までの流れ
厚生労働省令第28号
検査項目について
ボランティアリスト
ボランティア登録
ドクターのコメント
メディカルコラム
よくある質問
ボランティア体験談
友達に紹介する

胃の症状と検査について

Dr_photo

湘南ライフ内科クリニック院長の戸枝弘之と申します。今回は、胃に関する症状や検査についてお話していきたいと思います。

医療法人社団 快晴会
湘南ライフ内科クリニック
院長 戸枝 弘之

   はじめに
  胃は食物を貯め消化を行う袋状の臓器ですが、食べ物や薬、そしてストレスなどが原因で胃炎や潰瘍、癌が発生するといわれています。
   胃の症状
  胃の症状は胸焼け、上腹部の痛み、もたれ感、吐き気などがありますが、何か症状があれば、胃の検査をお勧めします。軽度な慢性胃炎であれば経過をみて良い のですが、ストレスや薬剤(主に解熱鎮痛剤)が原因となるびらん(粘膜の損傷)を伴う出血性の胃炎などでは治療が必要となります。

また、中年以後になると粘膜は徐々に萎縮し、血管が浮き出たような模様が目立つようになります。斑状に発赤があり、萎縮性胃炎という状態になります。萎縮 の強い粘膜に癌が発生しやすいといわれており、注意が必要です(胃粘膜の萎縮の状態は血液検査でも予測することができます)。

最近増えているのが、機能性胃腸症という疾患です。胃の痛みやむかつき、吐き気などが主症状です。症状は個人差がありますが、かなり強い症状を訴える方も いらっしゃいます。胃カメラなどの検査をしても異常がなく、お薬の内服で症状が改善されることがあります。比較的女性に多いようですが、食生活やストレス にも関係しているといわれています。
   胃、十二指腸潰瘍
 

胃、十二指腸潰瘍は、粘膜を守る防御因子が食べ物や薬剤(主に解熱鎮痛剤やステロイド)、ストレスなどで障害されると、胃酸により潰瘍を形成します。

症状としては、空腹時や食後の胃の痛み、タール便(出血により便が黒くなる)などがありますが、なんとなく胃の調子が悪いので胃カメラをしたら潰瘍が見つかったという方もいらっしゃいます。

現在、潰瘍の治療は、お薬の内服でほとんど治癒可能ですが、治療を行わず放置すれば、潰瘍の穿孔(胃や十二指腸に穴が開く)や出血などの命に関わる合併症を引き起こす可能性があります。

また最近はHelicobactor Pylori という細菌の胃壁への感染が胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因であることもあり、感染が疑われれば、胃カメラでの胃粘膜組織の検査を行います。感染が確認できれ ば、抗生物質を内服し、除菌(胃内の殺菌)を行います。最近では、胃癌やリンパ腫などとも関連があるとの説もあります。

 
   胃癌
  胃癌は、日本では依然として欧米に比べ頻度の高い癌のひとつです。原因はわかっていませんが、食べ物や薬剤、タバコ、ストレス、Helicobactor Pyloriという細菌の感染などが原因ともいわれています。

また胃癌は、胃粘膜の萎縮の状況と関連があるともいわれています。症状は、一般的には胃部不快感、胃の痛み、吐き気、嘔吐、タール便(出血により便が黒くなる)などですが、早期癌ではほとんどありません。進行癌でも症状が出ないこともあります。

癌の一番確実な治療は病変部の切除です。早期に発見されれば約90%の方が治癒可能です。また現在では、粘膜内の小さな病変であれば、胃カメラによる切除が可能であり、早期発見、早期治療が重要です。
 
   内視鏡検査
 

胃の検査には、バリウムを飲んで行う消化管造影検査と胃カメラによる内視鏡検査があります。どちらの検査にも一長一短がありますが、内視鏡検査の一番の利点は、直接胃内の粘膜の状態を見ることが出来る事ですから、粘膜の表情を詳細に観察でき、小さな病変、早期癌などを発見することに優れているわけです。

バリウムの検査は、あくまでもバリウムの影を見ているわけですから、粘膜の表情や小さな病変を見つける事は難しいわけですが、胃全体の状況(胃の壁の硬化など)を判断するにはバリウムの検査の方が把握しやすいという利点もあります。

胃カメラはつらいというイメージがあると思います。実際には非常に個人差があり、どんなにベテランの先生が胃カメラをしても、反射の強い方には非常に苦痛を伴うこととなります。

最近では、細い胃カメラ(径5,9mm)が開発され、鼻から胃カメラを行えるようになりました。いくら胃カメラが細くなっても口からの挿入では舌根部の刺激で、敏感な方は嘔吐反射が出てしまいますが、鼻からの挿入では舌根部の刺激が少ないため、鎮静剤(眠くなる薬)を使用しなくても、苦痛が少ない検査を行うことができるわけです。もちろん検査中、ご自分で胃の中を見ることが出来ますし、気になることがあれば医師に質問をすることもできます。

一部、鼻腔(鼻の中)が狭い方や、抗凝固剤(バイアスピリン、パナルジン、ワーファリンなど)を服用されている方などは、鼻からの胃カメラが出来ない場合もあります。

 
   おわりに
 

当院では、苦痛の少ない経鼻内視鏡(鼻から挿入する胃カメラ)も導入しております。胃の症状をお持ちの方や症状がなくても40歳以上の方であれば年に1回は検診として胃カメラの検査を受けられることをお勧めします。

 
医療法人社団 快晴会 
湘南ライフ内科クリニック
院長 戸枝 弘之
Dr_photo
[略歴]  
  東海大学医学部卒業
1990年5月 東京都済生会中央病院 勤務
2008年6月 湘南ライフ内科クリニック 開設
  現在に至る
ページトップへ
ドクターのコメント
各科の先生からコメントをいただいてます。
コメントはこちら
ドクターのコメント
 
Drのコメントバックナンバー
変形性膝関節症について
胃の症状と治療(内視鏡検査)
第4回 糖尿病をより良く理解するために
第3回 糖尿病をより良く理解するために
第2回 糖尿病をより良く理解するために
第1回 糖尿病をより良く理解するために
臨床試験(治験)とボランティア協力